元気な人生に「働く」は大切なこと。

かねてから一度でいいから生の演奏を聴きたいと思っていた「フジコ・ヘミングさん」。やっとのことでチャンス到来!

初めて初台駅に降り立って、もちろん初めての東京オペラシティコンサートホール。素晴らしい会場で、想像以上に痛々しい歩き方のフジコ・ヘミングさん。お腰の具合がよくないそうでした。が、一旦演奏が始まると、そんなこと微塵にも感じさせないような、繊細で優しいタッチの音色に溢れました。昭和7年生12月まれ。87歳になったばかり。人生の重みと、苦しさと、喜びがずっしりと込められたその音に畏敬の念さえ感じました。情熱があれば、ひとはどんなことでも乗り切れる、できるものだ。そう教えてくれているようでした。ピアニストの演奏活動は「働くこと」。つまり87歳、現役。どの仕事でも、87歳で現役というのはあっぱれですよね。

最近のこと。パートさんで保育園の支援員として働くことになったOさん。銀行勤めのあと兼業主婦をしつつ、65歳まで図書館司書のパート勤務の傍ら、学童保育所でもパート勤務。65歳を過ぎるとなかなか就労も思うようにはいかなくて、心細く思っていたという。そんな時、年齢不問の保育所パート労働者として応募したところ、いい保育園にめぐり合うことができました。働く場所が見つかりそうという時、Oさんは「未来が明るくなった気がする」と喜んでいました。「細~く、長~く働きたいです」と控えめに話していました。

また同時期に、小規模保育園の給食調理補助のパートさんに応募したHさん。現在66歳。それまで17年間ずっと訪問介護のお仕事をしてたそうです。高齢者相手のお仕事から180度転回の乳幼児対象の仕事に挑戦したのです。慣れないキッチンで、何から何まで手づくりで、という保育園の給食。わが子なら、たまには出来合いでも、も許されますが、お仕事ではそれはありません。おやつ作りにもようやく慣れてきたころのHさんの言葉が印象的です。「園児ファースト。駄菓子より私の愛のこもった手作りおやつを食べさせたい」。仕事を楽しみ、やりがいを感じている様子にこちらが感動したひとときでした。

ワタクシも働けることに喜びを感じられるのは何よりシアワセなことだと思っています。フジコ・ヘミングさんのように生涯現役を目標にしたいと思っています。